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インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス [IPX ]

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インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)の探究と実現

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●エクスペリエンスとは・・・

エクスペリエンスとは「体験」と訳す向きもあるが、この訳はあまり適切ではない。一言でいえば「これまでになかった体験」と表した方がピンとくる概念である。エクスペリエンスの定義をより明確にすれば、「これまでになかった体験」に加えてもう1つ重要な要素がある。それは「これまで妥協してきたものを打ち破るもの」という定義である。


インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)の探究と実現

 

【 は じ め に 】

今、日本の医療に求められているのは、第一に明確な「理念」を持ち、それを「具現化しようとする強い志」である。

さらには医療業種間での権限の委譲を含め、常に柔軟な発想をもって事態に対処できる体制創りである。

しかし、こうした「医療改革」を担うのは、決して「医療者」だけに限られた特権ではない。

 

今日の医療の動向からも明らかなとおり、医療を育てるのは何よりもまず、

医療の利用者たる「患者(ペイシェント)の力」であることを忘れてはならない。

 

つまりそれは「患者の権利」であり、同時に「義務」でもある。

 

現在では日本においても、患者の力を結集して社会へ働きかけようとするさまざまな動きが現れており、

そのような運動をとおして患者側にも新たな「社会的責任と連帯の意識」が生まれ始めている。

 

そこで、「統合的(インテグラル)で包括的(ホリスティック)」

かつ「参与的(パーティシパトリー)で共創造的(コ・クリエイティブ)」な医療の実現を

『インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)』と称し、その構想を示唆(探究)したいと考える。

 


参照:ヘルスケア・イノベーションの動向

ヘルスケアにおける共創の取り組みは、10年ほど前からアメリカを中心に広がってきた。こうした動きの背景には、アメリカ社会に根差した自己責任の文化がある。

日本はよく課題先進国と呼ばれるが、主として高齢化の進展を指して使われる言葉である。アメリカは別の側面での課題先進国であり、さまざまな面でアメリカは自己責任の国である。

日本のような国民皆保険制度はなく、自分の身は自分で守らなければならないという現実は、個人にとって、大きな課題でもある。

そんな意識ゆえに、個人が病院や担当医師を切り換えることも珍しくない。競争にさらされる医療機関の側には、常によりよいサービス、患者の満足を追求する強い動機が生まれる。こうして、ペイシェント・エクスペリエンスという概念が生まれ育ってきた。

アメリカの競争環境が、「共創によるイノベーション」を促している。それは、社会に対してポジティブなインパクトを与えてもいる。

共創の視点を取り入れたイノベーションにより、患者や医療スタッフの満足度を高めつつ、コスト削減を実現した事例も少なくない。

アメリカ最大の非営利医療サービス団体、カイザー・パーマネンテは看護士のシフト交替プロセスを革新することで、医療フタッフが患者から目を離す時間を従来の平均40分から12分に短縮した。すでに行われた看護サービスが、シフト交替後、無駄に繰り返されることもなくなった。

いまでは、伝達すべき情報のシステムへの入力はナースステーションではなく、患者のベッドサイドで行われる。このプロセスには患者も参加を求められるので、入力すべき情報のヌケ・モレといったミスの最小化にもつながっている。

したがって、日本社会を見ると、医療費の抑制、医療サービスの効率化は喫緊の課題でもあり、「ペイシェント・エクスペリエンス」を重視する動きは、いずれ日本でも大きくなることが予想できる。

医療の抱える大きな課題に取り組むうえで、競争と共創は重要なカギを握っている。



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