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新たな再生医療状況

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1:幹細胞由来成長因子を用いた新たな再生医療状況

1:幹細胞由来成長因子を用いた新たな再生医療状況

 
最先端の生物学・医科学における人体の組織・臓器の再生およびその医療では「幹細胞(stem cell)」が主役であり、それを助ける脇役として「足場材料/細胞の足場(scaffold)」や「信号分子/増殖・成長因子(growth factor)」があるとされてきた。

幹細胞を移植すると、その場所で必要とされる細胞に分化・増殖し、骨や皮膚、ときには心筋や神経のような自然治癒しにくい組織ですら「再生」すると考えられた。

そして最も優れた幹細胞は「ES細胞」や「iPS細胞」のような『多能性万能細胞』であると・・・。

しかし、移植された幹細胞による組織細胞のメカニズムはよく分からないと言うのが実情である。

こうした中、幹細胞の『パラクライン因子』が注目を集めるようになった。

再生医療の基本戦略である「幹細胞移植」では、実は幹細胞の分泌する「サイトカイン」が重要であり、これが『内在性幹細胞』を動員し、組織実質を再構築することがにわかに考えられるようになった・・・。

これらは、「組織再生における幹細胞の役割」について、新たな視点を提示するものである。

現在、名古屋大学大学院医学系の研究において、既に幹細胞から培養上清中に分泌された蛋白が、幹細胞の移植と同等、あるいはそれ以上の再生効果を持つことを、さまざまな組織で実証している。

であるならば、組織再生には幹細胞の移植はかならずしも必要ではなく、『幹細胞由来の成長因子』の投与だけで十分であることを意味しており、『cell freeの再生医療』が実現する可能性が高まってきた。

「幹細胞由来成長因子」による再生は、これまでにも試みられてきた『遺伝子組換え単一成長因子』による再生とは大きく異なり、幹細胞から分泌される成長因子には数百種類に上る。

これらの複合蛋白が組織再生の過程でどのような機能を果たしているのかは検索中であるが、しかし、より生理的で効率的な組織再生には、こうした複合蛋白の多段的な影響が重要であり、「幹細胞由来成長因子による新たな再生医療」は、幹細胞移植を伴わないゆえに多くの利点が存在し、実用化への道が一気に現実のものへ近づくことが期待される。


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