CRM とは Customer Relationship Management (顧客関係管理) の略です。
つまり、顧客管理アプリケーションと言っても、特殊なものではなく重要な顧客情報を管理し、一元的に把握できるようにするもので、たとえば、連絡先の確認、メールやソーシャルメディアを通じたフォローアップ、タスクの管理、売上状況のチェックなどを、1 つのアプリケーションの中で行え、最適な CRM を導入すれば、売上は目に見えて向上し、さらに、成約を増やして売上を伸ばし、売上予測の精度を高めることもできます。
CRMは15年ほど前にも話題になり、新システムを導入する企業が相次ぎました。どのような商品提案をしたら、新規顧客の獲得に結び付くか。新たな投資を検討している既存顧客はどこにいるのか。企業はマーケティング戦略の立案や、営業の注力分野を見定めるために、顧客の購買行動やクレーム情報、販売実績を収集・分析するCRMシステムの導入を急いだのです。
しかし、当時CRMの動向は、「コールセンターのようなサービス業務では成功例が多いものの、マーケティング業務では少ない。セールスとなると、期待通りの成果を上げた例は数えるほどしかない」という状態でした。
なぜ、マーケティングやセールスの分野で、CRMの効果が出なかったのか。端的に言えば、「多くの企業が切迫した状況になかった」というのが、ユーザー企業のシステム担当者やコンサルタントの見解でした。
CRMに熱心に取り組む必然性がないから、情報もシステムも活用しない。活用しないために情報が集まらない。集まらないので、さらに活用が進まない。悪循環がCRMの定着を阻み、成功から遠ざけていたのです。
例えば、かつても顧客の嗜好の移り変わりが激しくなったことが、CRMに取り組む動機の1つでした。ところが、今ほど消費は冷え込んでおらず、「一定のサイクルで新商品を出しておけば、そこそこ売れた」(ある消費財メーカー)。顧客への訪問記録や商談内容を事細かに分析して、重点顧客を見つける必要性が低かったわけです。
現在に比べれば、人材の流動化が限定的だったこともあるり、営業やマーケティングの担当者の中にはベテランや中堅の社員が多く、CRMシステムで標準的な業務プロセスを規定して新人を支援しなくても、売り上げと利益に大きな支障を来たす心配が少なかったのです。
言うまでもありませんが、今、企業が置かれた環境は15年前と異なり、掌握が困難なネットでの口コミ、海外製品やサービスの台頭による「値ごろ感」の変化、取引先の突然の破綻、ベテラン社員の退職と中堅社員の流動化、そして多くの企業にとって未経験の経済環境。「商品やサービスを販売する」という全事業者に共通の礎がガラリと変わりました。
もはや、言葉だけの「顧客志向」や、小手先のCRMは通用しなません。
セールスやマーケティング、サービスといった顧客接点を強化するのは当たり前で、研究や設計・開発の現場にも顧客志向を定着させなければなりません。
そのため、現在では企業全体がCRMを避けて通れないの状況へと変化し、成果を引き出すカギは、前述した負のスパイラルを逆回転させること。つまり、情報とシステムの「活用」が必須となったのです。
これから企業がCRMで目指すべき1つの姿が、「クローズド・ループ・マーケティング(CLM)」と呼ぶものです。
顧客の反応や市場動向、販売戦略など各種情報を、複数の部門間で途切れることなく共有し、スクラムを組んで1件の顧客に応じる際、セールスやマーケティング、サービスの担当者が足並みをそろえてを前進するための“エンジン”として、CRMシステムを活用しています。
またこれまでCRMという言葉は、マーケティング観点からではなく、企業都合により既存顧客を管理するという名目で、SIer的な発想でシステムが構築されてきた背景がありました。
しかし、現在ではマーケティングに利用するための「戦略的CRBシステム(Customer Relationship Building)の構築」という目的に変わり、単に既存顧客を管理するだけのCRMシステム導入ではなく、マーケティングに利用できるデータとして顧客との関係構築CRBのインフラ構築に着手しています。(データの持ち方、フィルタルール、分析機能など)
∞ Meta Paradigm Dynamics のコア・コンピタンス
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