インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)構想

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標準化・医療化されつつある「スピリチュアル・ケア」

現在、医療現場において、臨床心理学や行動心理学の知識に基づく「心のケア」が普及しつつある。 しかし、心のケアは諸刃の剣である。   心理学の多くは、人の心を判断し、評価する。各種の標準化された心理テストでは、人々の行動や心理状態を正常と異常の軸の間で評価しようとしたり、人々の心の状態や「人 ...

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「NBM/物語と対話に基づく医療(narrative-based medicine)」

医療サービスは、「エビデンス」が確立されていないからといって止めることはできない。   現在の医学研究で「EBM/科学的な根拠に基づく医療(evidence-based medicine)」が確立されている領域は2割から3割との報告も出ている。 また、米国の内科学会に掲載された論文のメタア ...

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「EBM/科学的な根拠に基づく医療(evidence-based medicine)物語」への盲信

  臨床医療にかかわる問題を扱うさいに「その臨床にエビデンスがあるのか」と問うことは、正しい問いかけなのか、あるいはそうした問い自体にエビデンスはあるのか。 こうした問いの設定はすでに、エビデンスとは独立に、一種の権威や脅し、ないしは単なるジョークのしるしを帯びた問いに変質している。 この ...

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IPX探究の焦点「マインドフルネス」

医療目的におけるこれまでの取り組みはすべて、QOLに対する一つの手段に過ぎない。   少なくとも私が考えるIPXとは、「病気」=「医療行為」と言う図式が過剰に社会に浸透すること、人間の健全性のすべてが『医療化(m e d i c a l i z a t i o)』と言う現象に沈み込むことを ...

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インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)の中心となる目的

現在、「インテグレイティブ・ペイシェント・エクスペリエンス(IPX)」の探究及び構想に着手するに当たり、現代の医科学界(アカデミック)における様々な知的作業について「キーワード抽出(リーディングス)」しながら、IPX実現に向けての「コンテクスト・リテラシー」なるものをお届けしている。 先述の後記にお ...

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人間の主体性の核『メタ認知(meta cognition)能力』

先述の「自己効力感(self-effi cacy)」及び「エンパワメント(Empowerment)」のいずれにおいても、ひとりの人間、つまり『自己の主体性』に対する認識と視点についての探究のみならず、その『潜在的能力の発現』を目指している。 自己効力感理論の提唱者であるバンデューラは、人間の主体性の ...

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患者中心の医療の実現とエンパワメント(Empowerment)

「慢性疾患セルフマネジメントプログラム(CDSMP)」の素人主導というコンセプトはイギリスにおいて、患者と医療者の間の上下関係を解消し、対等なパートナーシップのもとでの「患者中心の医療」の実現に向け、患者の「エンパワメント(Empowerment)」を図る取り組みとして紹介され、国家の保健施策として ...

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